これまでに取り組んだ研究テーマは、3つのキーワードに分類できます。
ある建物に空き室があったなら、近くの建物にもきっとあるはず。つまり、既存ストック活用では、建物単体に関する技術だけではなく、地域・都市スケールでも考える必要があります。そうなると、これまで専門分化された研究分野の領域を横断し、新たな枠組みで建築を捉えることになります。専門領域にとらわれず、これからの時代の専門家の役割や産業のあり方を考えています。
建物をつくる際には、手に入る材料の特性などを考慮しつつ、合理的に設計・施工することが求められます。その理論を構築するのが構法計画です。例えば、1960年代以降に大きく発展した日本の住宅産業の牽引役となった工業化住宅(ハウスメーカーのつくる住宅)、改修技術などに関する研究などを行っています。
建物をつくるにあたり「どのように実現するか」を考える分野です。例えば、ひとつの住宅は何人のてによってつくられているでしょうか?様々な職人、建材をつくるメーカー、林業関係者など、多くの人々や多くの産業が関わっています。産業と生活を結びつけるのが「建築生産」と言えます。
現在の研究テーマ
木造住宅の長期利用に関する研究(2023年度〜)
本研究は、住宅産業をストック型へ転換するにあたり、実効性のある制度設計のあり⽅を考察するものです。 これまでの法制度は、⻑期の利⽤に耐える厳しい基準を定め、⾼品質の住宅供給を促してきました。そのなかで2009年に⻑期優良 […]
DIYを通じた住まいのデザインに関する研究(2019年度〜)
昨今、自分に合った暮らしをデザインするためにDIYをやる方が増えています。SNSやインターネットの動画では、既製品にプラスアルファで自分なりの装飾を施すだけでなく、壁紙の交換や造り付けの本棚の設置など、様々なDIYの情報 […]
建築現場を担う人材のあり方に関する研究 (2020年度〜)
建築現場で働くの職人の多くは男性です。女性の職人は増えているものの、労働環境や職場の環境がまだ整備されていません。例えば、ヘルメットなどの道具は女性の体型に合っていませんし、トイレや着替えの場所などの配慮が不足しています […]
リノベーションまちづくり(2013年度〜)
リノベーションまちづくりは、リノベーションスクールというワークショップを契機に始まります。このワークショップは、空き物件のリノベーションを通じた都市再生手法を学び体験する場として2011年に北九州市で始まりました。リノベ […]
場の産業研究(2012年~)
全国のリノベーションやコンバージョンなどのストック活用の事業について、その枠組みと関わっている人々の調査を行っています。それを通じて、従来の「建築」という概念や建築教育の枠組みを超え、建築が本来持っている広がりを実体化さ […]
過去の研究テーマ
超高層建築の建設技術の伝播に関する研究(2015年~2016年)
日本で高さ60mを超えるいわゆる超高層建築が建つようになったのは、東京オリンピックの頃、1960年代のなかばです。当時は、超高層建築を建設するには高度な技術が必要であり、一部の施工会社のみに限られていました。しかし今や、 […]
インフィル改修の工数調査(2014年~)
工数調査とは、建設現場における職人の動きを詳細に記録する調査です。その結果を分析することで、より効率的な建設作業のための対策を考えます。 改修工事の中でも、間取り変更などの内装のみの改修工事、つまりインフィル改修の市場は […]
工務店や専門工事業者によるストック活用事業に関する研究(2014年~2015年度)
既存住宅ストックの改修で最も高い技術が求められるのが、木造戸建て住宅です。その改修工事を担当する工務店や専門工事業者は、これまで新築などで培ってきた技術を活かして、リフォームなどのストック活用市場が拡大していくにあたり大 […]
木造応急仮設住宅に関する研究(2013年~2014年)
災害時の仮設住宅は、これまでは鉄鋼系プレハブが供給されてきました。東日本大震災では、福島県や岩手県にて工務店などの地域建設事業者により木造の仮設住宅が数多く供給されました。そして、その後の台風などの災害時に木造の仮設住宅 […]
高齢化した郊外の戸建て住宅地の再生(2013年~2017年度)
空き家が多くある戸建て住宅地を再生させるための研究です。高齢化が進んでいる住宅地を対象として、リタイアした世代が主役となり、新規入居者として想定している若い世代をサポートする仕組みを構築することで、既存の戸建て住宅を活用 […]